相反する属性の「好き」と比例する心の重苦しさ

いきなりですが、数日前にWHITE ALBUM2」コンプしていました。
WHITE ALBUM2(「introductory chapter」+「closing chapter」セット版)
引き続きガッツリはまっているので、現在はゆるゆる再プレイ中。
勧めて下さった先人達の言う通り、再プレイで気付く機微も多くほくほくです。
既に再プレイに片足を突っ込んではいますが、1度コンプした状態の勢いで感想も書けたら書いてみたいものです。


但し、今回はちょっと違う趣の話を、どのヒロインが好きかという話と絡めて。
ともあれ、先日のゴルゴ31氏のラジオの発言に同意する形で、
本作で「嫌いなキャラは皆無で、皆(特にヒロインは)好き」というのが大前提になります。
その上で1度コンプした今、敢えて一人選ぶなら、杉浦小春という後輩の女の子。
Leaf『WHITE ALBUM2』2011
(総合力なら和泉千晶という同輩かなと思いますが、心の琴線に電流が走った度重点で)


ただ、小春を好きになればなる程、自分の心を重苦しさが襲ったのですな。
と言うのも、自分はオタク心(?)ついた頃から幼馴染派でした。
甲斐甲斐しく主人公の世話をして、子供の頃から主人公を好いている幼馴染達。
彼女達は須らく報われるべきであり、ポッと出の他ヒロインなぞに負けてはならない。
そんな風に強烈に思っていた時期もありました。


また幼馴染ほどではないにせよ、同級生や年上派
ついでに性的な点に関しては(本ブログの成年漫画更新から駄々漏れですが)グラマラス・ボディ派
ここまで明確な線引きはないにせよ、この傾向は3次元※1にも持ち越され気味だろうと思います。


つまり、
Leaf『WHITE ALBUM2』2011
・通学する教育機関も異なるくらい年下で
・作中で相対的に貧相なボディの持ち主の
後輩キャラを好きになるという経験は極めてイレギュラー、もしかすると初体験でした。
そもそも自分は、特定のキャラを(作品総合的にではなく、感性に従って)好きになる事もそう多くはないタイプです。


そして自分の中では、所謂年下キャラというのは年を取ってから好きになるものだと思っていた節がありました。
よく「〜姉と言っても、実は自分より年下」などと目にしますが、自分が年を取る程、実質的に年下のキャラは増えていく。
ハッキリ言ってしまえば、オッサンになるに連れて2次元・3次問わず年下が増えて行き、
年下への認識が変わって、年下キャラを含めた年下全般に愛着が湧くものなのかなと未熟にも思っていた
わけです※2


そんな風に思っていた自分は、小春を好きになっていく気持ちと心の重苦しさが比例したのです。
感性レベルで小春に惹かれれば惹かれる程、進めていてどこか辛い。
ホワルバ2で最も苦しかったのが、この苦しみと言っても良いレベルには苦しかったです。
その辛さは小春ルートの展開に起因するものではないと断言できますが、この点は長い&蛇足気味なので最後に補足で※3


ともかくホワルバ2をプレイして、杉浦小春というキャラクターを大好きになって思ったのは、
自分の原初の、或いは脈々と培ってきた好みの属性を根本から揺るがすキャラクターを好きになると
幸せや喜びと共に、痛みや苦しみも付いてくる
という事。


こんな酔狂な記事を書いてしまうくらいには、自分でも自分が不思議で仕方なく、
作中の詩を借りるなら「何故だろう気になっていた 気付けばいつの間にか誰より惹かれていた」です。
自分にとっての貴重な体験、初めての痛みや苦しみ、そして何よりも初めての楽しみや喜びを感じさせてくれたホワルバ2、
そして自分に本作を勧めて下さった皆様には、深く感謝しておいます。


まぁ、そんな痛みや苦しみも再プレイを繰り返す内(現在、小春ルート3回目)に薄れていき、今はひたすら幸せに蕩けていますが!
ついでに、ピロートークボイスは一日に聴く回数を自重かつ制限、聴いている時の表情は他人には見せられませんが!
あと、『ゲーマガ』の発売記念座談会、唯一小春の名前だけ言及されていなくて血の涙を流しましたが!
ゲーマガ 2012年 03月号 [雑誌]
結論:小春のアフターストーリーが収録されているファンディスクはよ!!


ちなみに、良い機会なので所謂年下や後輩で好きになったキャラクターを考えていたのですが、当然中々見付からず。
……と思ったら、そもそも秋月さん家の律っちゃんってプレイヤー的には完全に年下だったなと。
しかし、自分の脳内では共に成長して年を取っていく設定で幾星霜、年下という認識が皆無でした(・ω<)てへぺろ



※1
リアルの人間関係と言うよりは、AでVなタイプのDVDなど。


※2
尚、自分だけを対象に考えるなら、こういう風に年下キャラを好きになるのかなぁと思っていましたが、
他人も視野に入れて考えるなら、この考えが唯一絶対ではなく、あくまでも年下を徐々に好きになる一パターンくらいで考えます。


※3
と言うのも、小春ルートにおいて彼女に降り掛かる試練は因果応報だと思う所も大きいからです。
彼女の事を大好きで、更に彼女だけが悪い訳ではないとも当然思っています。
しかしそれでも、或いはむしろ大好きで大切だからこそ、彼女にも至らぬ点があると思う以上は、
贔屓目に「悪くない」・「より悪いキャラだけを糾弾したい」とは思いません。


大雑把に言えば、彼女は日頃からの関係性構築や想定される事態に備えた根回しが足りていなかった、というのが自分の判断。
そもそも彼女の性格や言動は誤解も呼びやすく、そういったスキルは将来的に必ず必要になるでしょう。
つまり、彼女にとっていつか起こり得るかもしれない問題、いつか克服・改善すべき未熟な点にスポットを当てたのが小春専用ルート。
であるならば大好きな彼女を応援こそすれ、彼女に非がないと思うのは筋違い。


それなりの好き程度ならば甘やかしたり目を瞑ったりしても良いけれど、本当に好きなら真摯な態度で臨むべき。
互いを本当に想い合っているからこそ、未熟な点や至らぬ点を看過しない。
そうやって、互いに互いを高め合えるべき。
やや強い言い方かつ漠然とはしていますが、自分はこう思っています。


あの艱難辛苦を乗り越えたエンディングの小春は、著しく成長し、他ルートのサブキャラ時よりも人として成熟している。
それは彼女にとっても(結果として)良い事であると思うと同時に、自分はそんな小春により惹かれるのです。
モチロン艱難辛苦がないに越した事はなく、更に小春には重すぎる試練だったかもしれませんが、
彼女の決断や行動を見たら、あの試練をただ辛いだけの偶然起こってしまった失敗と片付ける事は自分にはできません。
ましてや、彼女が大好きな人物と共に、その試練を乗り越える事もできたのですから。


無理やりまとめた上、もしかしたら厳しい・独善的な事を書いてしまったかもですが、小春の事は大好きです!
メインディッシュと称して小春ルートを最後の最後にしたのは、文字通りの意味もありますが、
主に春希が抱える事情、汚れた大人の世界に彼女を巻き込んでしまいたくない、という思いもあったから。
事実、小春ルートに行かなければ(あの時点での)艱難辛苦は回避でき、雪菜ルートなら矢田さんも良い方向に進むので。


それでも、小春ルートに入ってしまうと小春ルート以外選べなくなるくらい惹かれてしまった、惚れた男の弱みでした。