『艦隊これくしょん』〜スペシャル・ゲスト:木尾士目先生、登壇〜トークセッション終了
本ページは「楽園 Le Paradis」第13号刊行記念トークセッション―「楽園 Le Paradis」を語る―レポートその4です。
本トークセッションの概要やレポートの目次等は、以下のページにて。
■[楽園] 「楽園 Le Paradis」第13号刊行記念トークセッション―「楽園 Le Paradis」を語る―レポート
『艦隊これくしょん』について(!?)
かずまこを先生のゲームの話から、気が付けば『艦隊これくしょん』トークに。
意外にも(?)、飯田編集人の艦隊好きも相俟って大いに盛り上がりましたが、背景知識の無さと盛り上がり過ぎにつきメモは断念しています。
かずまこを先生から:
『艦これ』好き。みんな可愛いです!
ちなみに、「楽園 Le Paradis」本誌執筆陣の半分くらいがプレイしているとのこと。
飯田編集人から(抜粋):
皆さん、島風を是非可愛がってあげて下さい!!(迫真)
聞かれても答えられない(応えられない?)ことばかりなので、質疑応答は無し。
その代わり(?)、まさかの突発スペシャル・ゲストで偶々会場に来ていた木尾士目先生、ご登壇。
木尾士目先生、登壇。
「まさか上げられると思ってませんでした……」※2
木尾士目先生は仕事を非常にしっかりこなす上に、ネームや原稿の提出は一番であることが圧倒的に多い※3。
実は、既に次号のネームも完成済。
木尾士目先生から:
空いている時間にやっている。仕事が残っているとそわそわしてしまい耐え切れない。複数の連載・掲載の仕事に並行して取り組むことはまずない。一つ一つ片付けていく。
つい最近、今年は『げんしけん』+「楽園 Le Paradis」 OR 単行本作業=1年休みなしだったことに気付いた。(驚くかずまこを先生に対して)ここ数年はずっとこんな感じではあるので。
飯田編集人からの質問:
アニメの関係で仕事量が膨大に増えたか?
木尾士目先生からの回答:
アニメ関係の主とした仕事は、脚本打ち合わせとアフレコ立ち合わせくらい。週に1, 2日だけなので、まとめて大きな仕事が来た訳ではない。それなら一つ一つ頑張れば何とかなる。
『Spotted Flower』について
絵柄や塗り方を固定するタイプではないが、最早『Spotted Flower』は初期の絵に戻ら(戻れ?)なくなった。「楽園 Le Paradis」の既刊に載った自作品を見ながら描いているのに、オカシイなあ&マズイぞ、と。
具体的には、描線が太くなった。デジタルに慣れてきたということだと思うが、初期の頃の絵柄がお気に入りだった……。
と言うのも、初期は「少女漫画っぽくしてやる!」と意気込み、描線を細くしたり、縦に長いコマを使ったり、カラーもふわふわと少女漫画っぽく塗っていたりした。
旦那も昔は細くてヒョロかったのに、今やがっしりしてきた。単行本にまとまった時に、絵の移り変わりで凄い事になってしまいそう……。
飯田編集人からコミックスに関して:
漫画家達とは日頃からコミックスの話もしている。その時話している作家本人の作品は勿論のこと、その作家が言及する他の漫画家の作品についても、コミックスへの期待は総じて良い意味でのプレッシャーになっている。
今後も、「楽園 Le Paradis」本誌の月は基本的に本誌のみ、それ以外の月は1, 2冊の単行本が発売になる。『ダーリング』の単行本も来年秋頃になるはず。ご期待下さい。
飯田編集人から「縦に長いコマを使ったり」ということに関して:
『Spotted Flower』は最新話でも縦にコマを切っているシーンは相当数あるが、やって(ヤって?)いることは全然少女漫画じゃないので、その発想はなかった※4。
ナタリーの座談会で沙村広明先生とも話したことで、男性作家は賑やかしのつもりで描いている。
そもそも、「楽園 Le Paradis」=恋愛コミックなのに、男性で所謂「恋愛」をちゃんと描いている人はいないのでは? 黒咲練導先生くらい?
飯田編集人から:
あくまで恋愛「系」で、しかも「最先端」だから。色んな形の愛があって良い。
但し、男性作家の中で最近の平方イコルスン先生は、随分と恋愛色が色濃くなってきたように思う。
以前、ツイッター※5で「沙村も木尾もちゃんと描いているけど、鶴田謙二は(裸の女と猫しか出なくて恋愛じゃ)ないじゃん」というようなファンの感想を拝見した。
飯田編集人的には面白い意見と感じ、すぐに鶴田謙二先生に電話。鶴田謙二先生から「それは描くの止めろって事でしょうか?(困惑)」と返されたが、自分からは「いやいや、もっと描いて!」と。
他にも「楽園 Le Paradis」の感想で「床に投げ付けたくなった」、「壁を殴りたくなった」、「床をゴロゴロした」、「リア充爆発しろ!」なども拝見するが、基本的には「いいぞもっとやれ」という風に解釈している※6。木尾士目先生曰く、「リミッター解除」。
締めの挨拶
木尾士目先生から:
短い連載※7ですが単行本は必ず出しますので、宜しくお願いします。
かずまこを先生から:
主に話を聞いている側で申し訳なかったが、「楽園 Le Paradis」の打ち合わせはいつもこんな感じなのでホーム感があった。
写植に関する飯田編集人の発言が先程あったが、かずまこを先生の漫画の恩師に「楽園 Le Paradis」を持って行き掲載を報告した時、まず「写植が凄いね」と言われた。「丁寧に作られていることが伝わってくる雑誌で、こういう雑誌に教え子が載せてもらっていることを誇りに思う」と。実は一人で作っていらっしゃるんですと伝えたら、ビックリしていた。
とても気持ちのこもった雑誌に載せて頂いていて、飯田編集人には本当に感謝している※8。
飯田編集人から:
今のかずまこを先生の挨拶の中で(飯田編集人が)「雑誌を作っている」という発言があった。編集の仕事としては「雑誌を作っている」という表現が正しいかもしれない。でも実際には、例えば販売や宣伝や制作や製版などのスタッフ※8、描いて下さる漫画家の方々、売って下さる書店の方々、買って読んで下さる読者の方々がいて、初めて「本」として成り立つ。感謝の気持ちと、これからも末永く宜しくお願い致します。
かずまこを先生・木尾士目先生が記念イラストを描いている間、飯田編集人から余談:
編集という仕事をしているので、「漫画家の執筆風景を見慣れている」と思われがちだが、今は見ることはあまりない。
- 週刊誌の編集さんは見慣れている可能性もあるが、「楽園 Le Paradis」は年3回刊行の雑誌。
- デジタル執筆の漫画家も多くなってきている。
- 手塚治虫先生や石ノ森章太郎先生の時代だったら、まさに編集が部屋に詰め寄って原稿待ちも日常茶飯事だったかもしれないが、年3回刊行の「楽園 Le Paradis」でその自体が起こったら相当マズイ。
実際、かずまこを先生・木尾士目先生が生で描いているのを今日初めて目にして、非常に新鮮。
高みの見物でかずまこを先生・木尾士目先生には申し訳ないが、紙の上ではなくホワイトボード上で、下書き無しで、更に垂直90度で(即興で)描けるというのは、やはり凄い。
それに、こうして漫画家同誌が互いの執筆風景を目にすることも珍しいので、小学館ビルの落書きは漫画家にとっても新鮮だったのではと思う。
※1
飯田編集人ご自身は子供の頃からの大の艦隊好きで、『艦これ』は未プレイ。プレイしている漫画家から話を聞いたり、デモ動画(?)を観たりされているそうです。※2
かずまこを先生・木尾士目先生の話に関しては、コミックナタリーでの中村明日美子×沙村広明×かずまこを×木尾士目 座談会も併せて是非、ご参照下さい。※3
他に提出が早い作家としては、中村明日美子先生・宇仁田ゆみ先生など(飯田編集人)※4
詳しくは「楽園 Le Paradis」最新13号を参照。「フェ」で始まる、藤ます先生的な。