『LO』が初夏に贈る!希望・絶望・爽快感!

日本の夏、スク水の夏。
こんなノスタルジックな格言(?)の季節が、また今年もやって参りました!
個人的には、汗とか脇とかの方がより好みな気がしなくもないですが、今回は置いておきます。


そして、今週の夏のスク水的一冊と言えば、『コミックLO』最新号でしょう!
LO (エルオー) 2011年 08月号 [雑誌]
LO画集 TAKAMICHI LOVE WORKSでも存分に魅せてくれた、たかみち先生の美麗なイラストと名キャッチコピーのハーモニーは、今号でもモチロン健在。

見たい僕をどうか見ないで
今回のキャッチコピーの素敵な所は、男子中学生とヘタレ男子と成人男性を繋げる所だと思うのです。
どこか懐かしいような、それでいて今でも納得できる生々しい願望を、的確に表す一言ではないかなと。
それと、フォントにうっすらとついた影が揺らめいているのが、イラストと合わさって涼を感じられます。


さて、表紙から日本の夏を全面に感じられる『LO』最新号は、内容も清涼感イッパイで気分が晴れやかに!
しかも、あのクジラックス先生が再降臨したとなれば、胸が期待で高まろうというもの。
という訳で、今回は、希望と絶望と一夏のアバンチュールで胸が透く『LO』最新号の掲載作品を紹介します!


※以下、本格的に18禁の話題につき収納。

「魔法屋さん“時の牢獄”」(バー・ぴぃちぴっと

シェイカー (TENMAコミックス LO)
一作品目は、「魔法屋さん“時の牢獄”」です。
バー・ぴぃちぴっと先生は、明日24日に最新単行本「シェイカー」も発売予定。
個人的には“破天荒”という言葉がシックリ来るバー・ぴぃちぴっと先生。
今作も、一筋縄ではいかない永遠という理想的な関係が描かれています。


『LO』最新号の掲載作品の中で、読了後に最も爽やかな笑顔になれた今作。
美を永久のものにしたい。そう願い、ひょんな事から何人にも干渉されない“永遠”を手にした男性。
時の牢獄と名付けられた部屋を自由に出し入れでき、その部屋の中にいる限り、不老不死と同じ状態になれる。
部屋の外の時間とのズレも生じる事はなく、永遠の生に飽きたら永遠を捨ててしまっても構わない。
“永遠”が叶う。
ここまで聞くと、非常に良い話しに思えるでしょう。しかも、全て真実で、嘘偽りもありません
当然のように、男性はその能力を行使して、理想の環境・関係を時の牢獄の中に築いていきます。
美しい薔薇に刺がある事もなく、都合が良すぎる程の桃源郷を容易く手にするのです。


しかし、あろう事か、男性は永遠を一時的にでも放棄しようとします。
何もかも叶っている理想の世界を解き放って、新しい永遠を築き始めようと考えるのです。
そして、この(彼にとっての)妙案が、理想郷崩壊の序曲となるのはご想像の通り。
“永遠”に飽きる。
欲しいモノは何もかも手に入れたのに、更に“もっと”を求めずにはいられない。
容易く叶わないから追い求めて生きていけるという事を分かっていても、“もっと”を望んでしまう人間の深い業。
“もっと”を求めすぎて、身の丈を超えた事にも気付けず、自分で自分を追い詰めていく様子。
そんな人の生き様を眺めていると、魔法屋の店主同様、心が爽快感で満ちていきませんか?

「マコちゃん絵日記」(うさくん

マコちゃん絵日記 1 (1) (FLOW COMICS)
次に、全年齢向け漫画の「マコちゃん絵日記」です。
成年誌の『LO』掲載作品でありながら、今作は(一部成年向けなネタもありつつも)本当に一般作品。
単行本のレーベルもTENMAコミックス LO(成年向け)ではなく、FLOW COMICS(一般向け)となっています。
ロリロリなエロ漫画が続く中で、突然この絵の人情ギャグ漫画が出現するのは、一種の清涼剤かもしれません?


人情ギャグ漫画と簡潔に書きましたが、個人的には時折クスッと笑うどころではなく、爆笑している事が多々。
人情物としてイイハナシダナーと頷いたり懐かしい気持ちになったりして、思い切り笑える幸せ満タンの作品です!
今回は、柱の人曰く「兄ちゃんの存在感アピール回」になっています。
俺の妹がこんなにバカなわけがある
とは言っても、マコちゃんのお兄ちゃんはシスコンのウザキャラではなく、平凡な兄貴。
このコマの「俺の妹ってバカだよな」と思う感覚は、私も2人の妹の兄として感じた事が幾度となくあります。
でも、悪態をついたり馬鹿にしたりしてみても、何だかんだ妹のために行動できる妹想いのイイ兄貴です。


そんな妹想いの行動などなどから端を発して、マコちゃん念願の神々のおやつ(の一品)を食べに来た面々。
兄ちゃんを慕う丸吉さんがウッカリミスをしてしまい、店員の人から笑われてしまう羽目に。
年下の子と想い人の前で、良かれとやった事が裏目に出て実に辛い状況で、兄ちゃんがさり気なく一言
心がイケメン
この 兄ちゃんの ナチュラルな漢気!!!
個人的な感覚かなとも思いますが、今作で飛び抜けて優れた容姿の登場人物はいないように思います。
今回メインのマコちゃん,お兄ちゃん,丸吉さんの3人にしても、カワイイ・カッコイイとは言い難いような。
でも、この見た目の平凡さ故に、各キャラクターや彼等の生活に親近感を抱いたり、今回のように魅力が生じるのかなとも思うのでした。

「ろりともだち」(クジラックス

最後は、待望のクジラックス先生新作の「ろりともだち」です。
そもそも、まず、クジラックス先生とは誰か?
今作が『LO』掲載5作品目、寡筆家と言って過言ではないはずのクジラックス先生。


その2作品目「らぶいずぶらいんど」が、局地的&不定期に話題に上がっているような気がします。
Wikipediaには、作者のページは存在しないのに、この作品の詳細なページが存在する程!
らぶいずぶらいんど - Wikipedia
また、Pixivにも「らぶいずぶらいんど」タグが存在します!パロディかと思ったら、一枚ガチで切なくなったヨ!
らぶいずぶらいんど (らぶいずぶらいんど) とは - ピクシブ百科事典


そんな作者の5作品目は、一年という歳月を費やした力作。
同時に、力作という言葉では生温い、毒にも薬にもなりえる劇薬に感じました。
今作は、「ろりともだち」というタイトルから一般的に想像されるような中身とは違うはずです。
二人ぼっち
このコマの「いっぱい遊んだ」という言葉は、重く響く事しかなく、行き着く先も真っ暗。
でも、欲望と狂気の宴というには、あまりにも心許ない「僕達」という二人ぼっち


この車の天井は、絶望と狂気ではなく、彼等にとっては希望と夢の絵だったのだろうと思うのです。
違う出逢い方をしていたら、違う目標や夢を持っていたら、変わったかもしれない道程と結末。
叶えた夢…?
満ち足りているはずなのに、擦り切れるまで走り切って成し遂げてきたはずなのに、拭い切れない寂しさ。
その寂しさの正体を知る事なく、彼等は一緒に永遠の夢の中へと駆けていく。


彼等の犯した罪や彼等なりの青春に憧れる気持ちは全くありません。
しかし、ラストの彼等の満ち足りた表情や関係が眩しくて、心のドコかで羨ましいと思ってしまう自分もいます。
彼等だけに焦点を当てて見ても、ハッピーエンドなのかバッドエンドなのか、是非とも読んで考えてもらいたい一作です。



今回紹介した3作品だけでも、上記の三者三様な理由で、自分の胸は爽快感で満ちています。
ロリエロ漫画誌として名を馳せ邁進している以上、流石にロリが苦手な人には薦められない『LO』。
けれど、ロリが琴線に触れないくらいであれば、こういったロリ以外の楽しみ方で十分に楽しめると思う次第です。


実際、私もロリ体型よりは遥かにグラマラスボディ派なので、納得はして頂けるのではと思います。
[成年漫画] 一年の計は三が日にあり!2010年成年漫画ベスト5+α!
まぁ、一方で、「私立ローレグ学園」(朝木貴行)や「少女たちの茶道ism」(月吉ヒロキ)を頭を使わず楽しんでいる私もいますが!!
これらの作品はロリ度が低いような気もしますが、仮にロリ度が高く感じられても、それはそれ、これはこれという事で!テヘペロッ!


最後に、ちょくちょく話題になる告知や宣伝部分は、今月も変わらず熱いのです!
まず、そりむらようじ先生のLO初単行本が9/26発売だそうで、胸とか胸以外とかを滾らせて待つとしましょう。
次に、次号予告の新登場予定で、みなすきぽぷりはれぽれに加えて、コミズミコパンダが一匹。)&飴沢狛ぽんずアメの名前を発見してビックリですだよ?
更には、8月下旬にBlu-rayと画集という2つの媒体で発売される「TAKAMICHI SUMMER WORKS」の情報も裏表紙にドドンと載っております。
キャッチコピーから説明文まで、漫画以外の部分もサラッと読んでもジックリ読んでも面白いので、一読をオススメしつつ今回は締め!