姉、親友、先輩として!奏でて支える音楽の魔法!

さてさて、拙ブログでは、以前声で繋がり音で広がるナヲコ先生作品の特集を書きました。
[ナヲコ] 声で繋がる!音で広がる!ナヲコ作品の世界!
また、先日のラジオでも、熱を帯びて加速する青春というテーマの中で音楽について触れました。
この両方の記事に共通する青春音楽作品の一つ「ハレルヤオーバードライブ」が、今回の主役です!
ハレルヤオーバードライブ! 4 (ゲッサン少年サンデーコミックス)
高田康太郎先生は、新進気鋭の『ゲッサン』のルーキーファイル(新人作家陣)の一人として、同誌創刊とほぼ同時に連載を開始。
連載初期からキラキラと光るモノを放っていた今作は、物語が進むに連れ、その熱や魅力を劇的に高め続けていて留まる所を知りません
以前も紹介したたまごまごさん(たまごまごごはん)や漣さん(正直どうでもいい)の複数の感想を時系列順に見て行っても、その驚くべき加速は伝わると思います。


そして、物語の魅力の高まりに合わせて、各キャラクターの魅力も高まって行くのは自然の道理。
上記のお2人も、「タンポポ好きだ!!」や「麗カワイイ!」という想いを全力で綴っておられます。
では、私が今作で心が揺さぶられて泣きそうになる程憧れ惚れているキャラクターはと言うと、おっぱい先輩こと万城目愛葉さんなのです。
という訳で、今回は、今作の感想を交えつつカッコイイ可愛い愛葉さんの魅力を紹介します!

“先輩”として支える音楽の魔法

ハレルヤオーバードライブ! 2 (ゲッサン少年サンデーコミックス)
まずは、“先輩”として支える音楽の魔法です。
分かりやすい例として、第2巻と『ゲッサン』6月号から一場面ずつ見てみます。


小雨を再び音楽の道へと誘い、彼にとって目標・超えるべき壁として聳え立つメタリカ(メタルリカちゃん)。
その実力と音楽への「好き」という気持ちは折り紙つきですが、彼等も高校2, 3年生で、完璧な存在ではモチロンありません
後輩への喝
ハルさんの鈍さや独特のリズム・タンポポの素直になれない所等が、メタリカや部全体の統率に影響が出る事もあるように思います。
そんな彼等を何気なく影ながらまとめ上げている部の大黒柱が、愛葉さんと部長:由多呵(ゆたか)だと思うのです。
朗らかに部全体の雰囲気をまとめつつも、締める所はキッチリ締めて、時には先輩として後輩を叱ったり喝を入れたりも。


同時に、その愛葉さん(と部長)の立場や役割は、各部員や部全体をよく見ていないと担えない物のはずです。
また、よく見ているだけでなく、そこから気付いた事を言葉にして伝える能力も問われてくるのではないでしょうか?
よく見て、誉めて。
例えば、2人でのリラックス時、愛葉さんは小雨の入部から最近までの変化を大まかに説明した上で、彼の事を誉めています。
専門的過ぎず、大まかで何気ないけれど、相手に伝わる説明。相手の良い所を、素直に誉めたり祝福したりするという行為。
朗らかさや厳しさが生きてくるのは、こういった親身な良き指導者の一面も持ち合わせているからではないかと思うのです。

“親友”として支える音楽の魔法

ハレルヤオーバードライブ! 3 (ゲッサン少年サンデーコミックス)
次に、“親友”として支える音楽の魔法です。
再び分かりやすい例という事で、第3巻の場面と『ゲッサン』6月号の台詞を見てみます。


まず、元から部に所属していた由多呵とハルさんと違い、愛葉さんとタンポポの2人は同期の新入部員です。
今は共に高い実力を有している二人ですが、当時の実力は雲泥の差。ハッキリ言ってしまうと、1年生の時のタンポポはヘタッピだったのです。
この辺りのタンポポから見た物語は、タンポポLOVEのたまごまごさんの感想を御覧下さい!
恋をしろ、オーバードライブのスイッチを入れろ!「ハレルヤオーバードライブ!」は全力疾走中! (from たまごまごごはん
ともあれ、この時のエピソードがキッカケとなり、現メタリカは結成&絆は揺るぎないモノになります。


そして、もう一つの揺るぎない絆を紡いだのが、愛葉さんとタンポポの2人です。
口には出さない想い
いつもニコニコしてボケる愛葉さんに対して、容赦なくツッコミを入れるタンポポ
安定のボケとツッコミが成立するのは、お互いがお互いを信じて理解しているから。


その理解や信頼は、お互いにしか見せない表情にも現れていると思います。
タンポポに向ける優しい目
愛葉さんからタンポポへは、特別な微笑みと優しい目線。タンポポから愛葉さんへは、本編でのお楽しみ!
不器用にぶつかり合える関係だから、時に喧嘩もするけれど、それは2人にしか出来ない喧嘩。
こんな2人だからこそ、「いつも一緒にいてくれて…ありがとう…」と言う照れ臭い台詞も、大きな意味を持つのでしょう。

“姉”として支える音楽の魔法

ゲッサン 2011年 07月号 [雑誌]
最後に、“姉”として支える音楽の魔法です。
同じく分かりやすい例という事で、第4巻と『ゲッサン』最新号から一場面ずつ見てみます。
最新話のネタバレを若干含む事、ご容赦下さい。


そもそも、走り出したばかりの小雨のバンド:ティアドライブには、もう一人メンバーが必要でした。
一緒に演奏する楽しさだけでなく、ライブやそれを超える目標を見付けて、何としても新メンバーが望まれる局面。
妹へのお誘い
そんな折、メタリカとティアドライブのPV撮影をする事になり、愛葉さんは自分の妹:若葉を撮影会場へ誘います。
状況は勿論の事、先輩としてティアドライブの良さを知っているからこそ、愛葉さんは若葉を部活に勧誘します。
この時点ではノーという返答でしたが、小雨の歌声を中心に紡がれる音楽の魔法で、若葉は少しだけ前向きに変わるのです。


しかし、愛葉さんの本当の想いは少し違った事が、最新話にて描かれています。
若葉は、決して怖気付いて遠慮する必要などないと。自分の背中を追い越して、走り抜いて行くべきだと。
見守り託すギター
彼女が(部室の外で)麗に想いを吐露する場面も然る事ながら、その前の慌てて怯える若葉を見詰める視線も熱い!
その後、またいつもの調子へと戻った彼女は部室を去って行く訳ですが、自分のギターは若葉へ託していくのです!!
姉からの確かな想いを受け取った若葉は―――と、この後の展開は描く方が野暮だと思うので、是非ともご自身の目で確認してもらいたく。



いつも明るく包容力のある皆のお姉さんでありながら、彼女には一抹の寂しさもあると思うのです。
それは、彼女がさり気なく後押ししている後輩,友人,妹等は、いつの日か彼女の元を離れて行くからではないかと。
本格的にスタートを切った小雨は言わずもがな、親友のタンポポなら好きな人の元へ、妹の若葉なら姉からの自立へ。


彼女の願いは、彼女の大切な人達の願いが叶う事。
彼女の手助けなしで、彼女の大切な人達が歩み始められる事。
寂しさも分かってる。
でも、その寂しさを分かった上で、彼女は優しく微笑んで大切な人達にエールを贈ります。
そんな彼女の姿は、とても凛々しくてカッコ良くて、思わず自分は惚れてしまいそうになるのです。


そして、そのエールを贈るに足る自分であるために、自身に課した目標にも一歩一歩進んで行きます。
「頑張れ」を贈る大切な相手と頑張り合える関係を目指して、時に破天荒な程に愛葉さんは歩みます。
頑張り合える関係
モチロン、一人の人間として、彼女を以てしても立ち止まってしまいそうになる時はあります。
でも、そんな時には、音楽の魔法で繋がった仲間達がいるから、微塵も心配はいらないと感じるのです。


回を増す毎に、巻を追う毎に、熱とラブコメが音楽の魔法と共に加速していく今作。
その熱に応えるように、小雨をはじめとしたティアドロップや愛葉さんも所属しているメタリカの面々が、全力で音楽の魔法を魅せてくれます。
そして、奏でた音楽の魔法を更に魅力あるモノにするためには、縁の下から支える者の存在も大切だと強く強く思うのでした。
ハルさん,麗,タンポポも魅力的なのは重々承知で、不肖・葵は今後も愛葉さんを応援していきます!おっぱい!