人生スタートダッシュ!このショタっ子が勝ち組!

さてさて、前回の拙更新では中学生にして年上の彼女とお付き合い出来る幸せについて触れました。
[桐原いづみ][CLAMP][水谷フーカ] 中学生に戻りたい?年上の女性とお付き合い出来る幸せ!
しかし、二次元の世の中は広く、中学生なんて遅すぎるという奴等がいやがるのです。


遅くとも小学生高学年には女子から愛されルートを邁進。
そんな天賦の才を持った奴等を、私は勝ち組ショタっ子と呼んでいます。
尚、女性からモテる=勝利とは限らないという納得のご意見は、本更新が成り立たなくなるのでご勘弁下さい。


私達凡人は、彼等を見て、持って生まれた格差と(現時点での)人生の敗北を悟るはずです。
また、女難の相で苦労する彼等に対して、ほくそ笑む心の狭さを発揮する事でしょう。
同時に、彼等の存在は、ショタっ子達の可愛さや微笑ましい少年少女カップルを堪能出来る絶好の機会でもあります。
という訳で、今回は、時にイラッ(誉め言葉)とする勝ち組ショタっ子供を紹介します。

新太 from 「もういーよ」(K)

もういーよ (BLADE COMICS)
一作品目は『月刊コミックアヴァルス』に掲載されていた「もういーよ」です。
投稿作として掲載された後、好評の声を受けて、全4回の掲載で初単行本化まで至った今作。
女性向け雑誌という位置付けの『アヴァルス』ですが、今だと「flat」(青桐ナツ)や「僕と彼女の×××」(森永あい)を読んでいる人は、男女問わず結構いるのではないでしょうか?
同じように、今作も、老若男女に薦められる爽やかな内容になっています。


今回、勝ち組ショタっ子としてスポットを当てるのは、最終話「あした天気になあれ」のゲストキャラ:新太(あらた)君です。
彼は、大事にしている野良猫を連れ去った犯人を捕まえて欲しいと、主人公達が所属する新聞部へ依頼。
その途中、同じように猫を探している少女:さやかと出逢います。
少年から少女へ
初めこそ意地を張りあって雰囲気が険悪だった二人ですが、新太君は勇気を出して「一緒に探そう」と提案するのです。
目的地への道中でツンツンの女子と遭遇が、勝ち組の第一条件なのは言うまでもないと思います。
そこから一緒に行動という選択肢を選べた新太君、たった一言ですが大きな前進です。


それから、紆余曲折(物語のメイン)を経て、彼等は捜していたネコを発見します。
その途中、彼等に危機が訪れる一幕もあるのですが、新太君は身を呈してさやかちゃんを守るのです。
少年にして騎士(ナイト)。勝ち組ショタっ子入りも納得のヒーロー的潜在能力です。
少女から少年へ
そんな新太君なら、さやかちゃんの笑顔と誘いの言葉を受け取るのも納得。
主人公達が、彼等の未来を暗示する存在でもあると思うので、是非とも幸せになって欲しいです。

倉橋 蓮太郎 from 「恋愛ラボ」(宮原るり

恋愛ラボ 5 (まんがタイムコミックス)
次に、先日のクールな彼女特集でも紹介した「恋愛ラボ」です。
[犬上すくね][志摩時緒][宮原るり] 現実でも漫画でも!クールな彼女に惹かれ振り回される幸せ!(ソースは俺)
恋愛(ラブ)を研究(ラボ)する今作において、例外的な存在の勝ち組ショタっ子が主人公リコの弟:倉橋 蓮太郎(通称:レン)君です。
先の新太君同様、爽やかタイプの彼ですが、大きな違いとして若干イラッとする事が挙げられます。


レン君は、ワイルドで漢らしい姉と共に育った反動で、清楚なお姉さま系が理想と言うドリーマー。
姉と違って、学校でモテモテのレン君ですが、同年代の小学生などアウト・オブ・眼中という不届き者。
しかし、その思わず頷くモテっぷりは、彼の言動の節々から見て取れます。
無意識に誉める
生意気な軽口は叩くけれど、良いと感じた所は素直に認めて、無意識に誉められる。
その無意識な誉めスキルは、年上のエノを赤面させ、冷静なサヨを「こりゃーモテるわ」と納得させる程。


また、「言動」という言葉の通り、彼の無意識さは行動にも表れています。
風呂上りのスズに対して、無意識に髪を撫で、「サラサラ」と感想まで述べるのです。
無意識に触れる
この髪を撫でるキッカケがスズ本人ではなく、憧れのマキのシャンプーという辺りが、イライラMAXポイントと言えるでしょう。
但し、夢中になっているマキに想いは全く届かず、他のキャラを意識させてしまう不遇さが、ラブコメとして笑い所の一つだと思います。
また、スズと着々とフラグを立てている(ように見える)のもブコメ的には美味しいと感じてしまうのです。

浜 泰斗 from 「家族ゲーム

薬師寺 錠 from 「くすりのマジョラム」(以上2作品、鈴城芹

家族ゲーム 7 (電撃コミックス EX 電撃4コマコレクション 96-7)
くすりのマジョラム (1) (まんがタイムKRコミックス)
最後は、鈴城芹先生が連載中の二作品から一人ずつ、勝ち組ショタっ子を紹介したいと思います。
一人は、『電撃4コマ』で連載中の「家族ゲーム」より浜 泰斗(はま たいと)君。
もう一人は、『マンガタイムきららMAX』で連載中の「くすりのマジョラム」より薬師寺 錠(やくしじ じょう)君です。


尚、『電撃4コマ』という雑誌名に馴染みのない人は少なくないと思います。
何故なら、独立した漫画雑誌ではなく、ゲーム雑誌『電撃PlayStation』の付録冊子だからです。
けれど、現在は第120号の大台間近で、最近では「放課後プレイ」シリーズで知名度が上がりつつあるかもしれません。


その『電撃4コマ』の第1号から連載している「家族ゲーム」は、ゲームで繋がる長編群像劇。
実際の時間に合わせて作中の時間も経過単行本2, 3巻分のストックが存在等の特徴は、昨今の4コマには珍しいのではないでしょうか?
ゲーム大好きな遊佐一家から広がるゲームとラブコメの輪が、ゲーム好きにもラブコメ好きにも嬉しい一作です。
小学1年生と高校1年生
キャラクターの成長という側面も持つ今作では、例えば小学生は決して珍しくありません。
しかし、小学1年生と高校1年生の年の差カップは、やはり珍しい存在なのです。
彼女が自ら志願して彼好みに染まって行き、そうなってから段々と彼女に惚れて行く天然な泰斗君には末恐ろしいモノすら感じます。


一方の「薬のマジョラム」は、魔女経営の薬局が舞台。
魔女と言ってもファンタジー物ではなく、現代社会の薬局・薬学に基づいた笑いありの職業物。
前作「看板娘はさしおさえ」で見せた職業知識と漫画の見事な融合は、今作でも健在です。
魔女っ子薬剤師(26歳)と勝ち組ショタっ子
そして、その薬局の常連客の一人が、今回紹介する錠君です。
錠君は、同じく薬局の常連客である女子2人(クラスメイト)の意中の相手で、活発なサッカー少年。
その活発さ故に溺れて命の危機に直面してしまいますが、そこから魔女っ子薬剤師26歳ともフラグを立て始めた感があります。
偶然とは言え、勝ち組となるために命を賭けられる所が、彼と私達凡人との圧倒的な差だと思い知るのです。



一口に「勝ち組ショタっ子」と言っても、やはり人間は十人十色。
今回紹介した彼等だけでも、その勝ち組度,モテる理由,将来性は多種多様に感じたはずです。
彼等から学べる教訓の一つは、モテる努力や秘訣は人それぞれという事だと思います。


そして、彼等を見てイラッとしながらも、天真爛漫な彼等に惹かれている自分にも気付くのです。
また、やはり年の差カップルや無邪気な少年少女のカップルは、心に癒しを与えてくれる存在。
イラッとしつつ、勝ち組ショタっ子を認め望んでしまう私達こそが、彼等を生み出しているのかもしれません。


しかし、年齢性別を問わず、かわいいとラブコメは正義!
純粋にショタっ子に悶えるも善し。
自分の若かりし日のモテ絶頂期を思い出すも善し。
自分になかったモテモテの少年時代を疑似体験するも善し。
楽しみ方も人それぞれ。夢と浪漫溢れる勝ち組ショタっ子ワールドへ、あなたも是非!


最後に、4コマ作品では珍しい長編群像劇の「家族ゲーム」は、他にも魅力的なキャラクター盛り沢山。
素晴らしい日々の八戸さんによる以下の感想も、宜しければ参考にどうぞ。
この4コマがすごい! 鈴城芹の大河群像劇4コマ『家族ゲーム』の魅力(前編)
この4コマがすごい! 鈴城芹の大河群像劇4コマ『家族ゲーム』の魅力(後編)