おりこ・かずみ・ラクガキ!広がるまどかワールド!

さてさて、「魔法少女まどかマギカ」の最終回から早一ヶ月。

各キャラの魅力を存分に引き出しつつ、物語も見事に占めた本当に素晴らしい作品だったと思います。
全国で深夜3時前後からの放送にも関わらず、各所での実況の熱や視聴率が凄まじかったのも納得です。


一月経って少々落ち着いて来たとは言え、まだまだ「まどマギ」熱は冷めていないように思います。
その熱気冷めやらぬ中、アニメ最終回の放送に合わせて延期されていた外伝作品達が発売されました。
また、黄金週間の大きな即売会の一つ:コミック1では、蒼樹うめ先生のサークル:apricot+から非公式本の頒布も!


一旦落ち着いて来た熱を呼び覚ます良いタイミングで世に放たれた3作品。
更に素晴らしいのは、3作品それぞれが全く違う色を持っており、各々に違った魅力がある事です。
という訳で、今回は、まだまだ広がり続ける「まどか☆マギカ」ワールドを描く3作品を紹介します!

魔法少女おりこ☆マギカ」(ムラ黒江×Magica Quartet)

魔法少女おりこ☆マギカ (1) (まんがタイムKRコミックス フォワードシリーズ)
まずは、公式スピンアウトの名を冠する「魔法少女おりこ☆マギカ」です。
スピンアウトと言う言葉に、あまり馴染みがない人も少なくないかもしれません。
今作では、原作(アニメ本編)をベースにした派生作品と考えれば良いかと思います。


派生と言う言葉の通り、物語の舞台となるのは別の時間軸。
メインを飾るのは、きっと皆大好きな杏子&マミさんです!
そして、今作は別の時間軸ならではの共通点と差異を上手く描いています。
マミさん WIN!
マミさんが!シャルロッテを倒した!!
また、ほむほむがまどか達と良好な関係を築いており、さやかの心配も現状ナシ。
更には、原作を彷彿とさせる杏子の台詞も随所で見られ、原作ファンは随所でニヤニヤ出来るでしょう。


今作のタイトルにもなっているおりこ(織莉子)は、表紙前面の幼女ではありません。
今作の裏の主役と言っても良い立ち位置の彼女は、魔法少女にして、魔法少女狩りの首謀者
その目的は“救世”で、恐らく、魔女の源である魔法少女達の駆逐とワルプルギスの夜への対策。
おりこ暗躍
試し読みも可能な物語冒頭で、彼女の能力は、予知能力の類だろうと察せられます。
未来を知る事が出来てしまうからこそ、抗えないという諦めを抱き、より大きな絶望に苛まれて行く。
その結果、間違った選択肢を積み重ねてしまい、より多くの悲劇を起こして行く事になる。
彼女は、ある意味では、時間遡行の能力で“可能性”を繰り返し続けるほむほむと似ているのかもしれません。


尚、表紙で一見おりこと間違えそうになる幼女:ゆまが杏子に懐いて大変可愛らしいのも今作の魅力。
本編では僅かに垣間見えるだけだった杏子の何だかんだ言いつつも良い漢っぷり、とくとご覧あれ!
来月13日には、早くも第2巻が発売なので目が離せません!

魔法少女かずみ☆マギカ〜The innocent malice〜」(天杉貴志×平松正樹×Magica Quartet)

魔法少女かずみ☆マギカ ~The innocent malice~ (1) (まんがタイムKRコミックス フォワードシリーズ)
次に、公式スピンオフの名を冠する「魔法少女かずみ☆マギカ」です。
今作は、「まどマギ」関係の作品では唯一の『まんがタイムきららフォワード』での連載作品。
以前の更新でも触れた通り、最近の『フォワード』は、ラブがコメり出す最前線(フォワード)になっています。
[カザマアヤミ][志摩時緒][霜月絹鯊] 一足早い春一番!ラブがコメり出す最前線(フォワード)! - 『まんがタイムきららフォワード』
しかし、ラブコメだけでなく色々なジャンルの作品が掲載されており、ストーリー漫画誌という事でファンタジーとの相性もバッチリ
例えば、先日までアニメが放送されていた「夢喰いメリー」(牛木義隆)や「キスメグルセカイ」(ジェームスほたて)等が代表例です。
夢喰いメリー (6) (まんがタイムKRコミックス フォワードシリーズ)キスメグルセカイ (1) (まんがタイムKRコミックス フォワードシリーズ)
そんな訳で、魔法少女物である今作「かずみ」も、特に誌面で違和感を抱かない良い連載となっています。


さて、少なくとも日本語では、スピンアウトとスピンオフという言葉の境界は、曖昧なはず。
今作も、「おりこ」同様、原作(アニメ本編)をベースにした派生作品と捉えれば十分な気がします。
異なる点を挙げるとしたら、原案,原作,画で構成されている作品という事と内容の独自性です。
人に憑く魔女
今作は、上記の「おりこ」とは異なり、非常に独自色が強く出ていると感じます。
まず、舞台が原作よりも前の見滝原で、まどか達の存在は僅かに匂わされる程度。
魔女(?)の設定も異なり、仕掛けはありそうですが、人に取り憑く悪魔のような存在です。


しかし、大きく異なるからこその魅力と言うのもあって、魔法少女達がチームで戦っているのです。
原作でメインとなった時間軸では、ほむほむの方針もあり、ありそうでなかったチームプレイが現実の物に。
仲良しの魔法少女チームというだけでも思わず笑顔になりますが、連携攻撃では男の子的熱さもあります。
チーム魔法少女
ちなみに、魔法少女が大勢いるからこそ分かる事と言うのもあって、たまごさんがまとめられています。
「魔法少女かずみ☆マギカ」で分かった、一番大切なこと。 (from たまごまごごはん)
つまり、ティロ・フィナーレ」は、決して厨二病ではなかったのです!マミさんは、メジャーな魔法少女


ともあれ、「The innocent malice」(無垢なる悪意)というサブタイトルが示す通り、不穏な影が蠢いているのも事実。
また、記憶喪失の主人公:かずみに起こった出来事も、むしろ記憶を消したくなるくらいの事だったと推測出来ます。
魔法少女は決して孤独ではないという事を見せてくれた彼女達に、どうか僅かでも救いがあるように願うばかりです。

「RKGKMDK(ラクガキマドカ)」(蒼樹うめapricot+))

RKGKMDK(ラクガキマドカ)&会場限定クリアファイル
最後に、蒼樹うめ先生ご本人曰く“ハイパー非公式”の「RKGKMDK(ラクガキマドカ)」です。
今作は、5/1に開催されたコミック1で頒布されて、大きな話題を呼びました。
つい先日、店舗委託も行われ、文字通り“瞬殺”となったのは記憶に新しい所です。


原作にも携わっている蒼樹うめ先生直々に、設定集や裏話は全くナシと明言されている今作。
言い換えると、“ハイパー非公式”だからこそ出来る事が、今作には詰まっています。
例えば、魔法少女達の私服姿が拝めたり、蒼樹うめ先生直々のカラーイラストが見られたり。
私服まどか
上條君やほむほむが主役の4コマ漫画では、破天荒な酷いウメス(誉め言葉)を見る事が出来ます。
また、会場限定ではありますが、上記のSDほむほむクリアファイルも“ハイパー非公式”ならではと言えます。


そして、一番の見所は、何と言ってもウメスが描く杏さや漫画だと思います!
元々、同人誌では、オリジナルの百合物やラブコメを描き続けているウメてんてー。
それ故に、ニヤニヤ胸キュン赤面具合は完璧と言っても過言ではありません。
杏さや!
何よりも嬉しいのが、原作に携わったウメス自身も、杏さやの幸せを願っていたという点ではないでしょうか?
二次創作の数でも分かるように、多くのファンが待ち望んだ展開が、キャラクター原案者の手によって描かれる。
本当に夢のような、杏子とさやかの有り得たかもしれない幸せな一幕、杏さやファン以外も必見です!


最初に書いた通り、依然冷めやらぬ「まどマギ」熱に押され、今作は瞬殺と相成ってしまいました。
しかし、蒼樹うめ先生の公式ブログでは事前の告知通り、追加の頒布を実施と追記されています。
先生ご本人も書かれている通り意見は色々だと思いますが、ファン垂涎物の一作となっているので、より多くの人に行き渡る次の機会を一ファンとして歓迎したいと思っております。



冒頭でも書いた通り、以上3つの「まどマギ」作品は三者三様で、それぞれが異なる魅力を持っています。
その根本では、原作での過去,現在,未来の対比や並行世界という設定が、非常に上手く機能しているのではないでしょうか?
原作(特に終盤付近)で輝いていた設定が、その枠を超えて外伝作品達でも輝けるのは見事だと思うのです。


同時に、「おりこ」と「かずみ」の2作品は、原作を考えるとバッドエンドへ向かっていくはずです。
主役のマミさんと杏子,まどかと幸せな関係のほむほむ,チーム魔法少女、本当はどれも失いたくない。
けれど、この辛さは2作品それぞれの魅力があってこそだとも思うので、しっかり受け止めたいと思います。


また、今回の記事では「RKGKMDK(ラクガキマドカ)」に触れましたが、蒼樹うめ先生は商業でも大活躍中。
代表作の『まんがタイムきららキャラット』連載「ひだまりスケッチ」は、皆さんご存知のとおりでしょう。
更に、『月刊ドラゴンエイジ』では、「てつなぎこおに。」という作品も不定期掲載しています。
そんな多方面で活躍中のうめてんてーの更なる魅力も、以下の記事では紹介(?)されています。
[マンガ][雑文]うめてんてーのウルトラマン (from マンガLOG収蔵庫)
見事と言わざるを得ない紹介になっていますので、宜しければ是非どうぞ。一緒に地団駄を踏みましょう。


最後に、「まどマギ」のキャラクターで誰が一番好きかという質問は、答えるのが非常に難しいと思います。
上條君以外の皆が大好きで、杏さや,ほむまど,マミさんという魅力的なカップリングもあって、一人に絞り切るのは難しい。
しかし、私はそこで敢えて、仁美(緑の子)を推したいのです!
魔法少女まどか☆マギカ 3 【完全生産限定版】 [Blu-ray]
さやかやマミさんと同じく中学生らしく、実は小心者の寝取り女の仁美は可愛いと思いませんか?
そう考えると、DVDとBlu-ray第3巻のジャケットでさやかと一緒、けれど奥の方にいる仁美も、実に可愛いと思わなイカ
そんな仁美が一番好きな自分と握手してくれる人、絶賛大募集中です!!!