一年の計は三が日にあり!2010年成年漫画ベスト5+α!

皆様、明けましておめでとうございます。
さて、今回は挨拶も早々に、本題へ。
年明けと言えば、姫始め筆下ろしと言っても過言ではないでしょう(過言)
「あけおめ」「ことよろ」と言う気さくなやり取りが、おめこに聞こえる事もあると思います(幻聴)
そんな年明け三が日だからこそ、私的2010成年漫画ベスト5+αを開催します!
尚、「ベスト」と言う言葉通り、順位ではなく〜賞という形で特に優れていると感じた所を紹介&5作品+αを挙げて行きます


※以下、18禁の話題につき伏せ。

ダークファンタジー

PANDRA―白き欲望 黒の希望― (アンリアルコミックス 58)
まずは、ダークファンタジーで、「PANDRA ―白き欲望 黒の希望―」(エレクトさわる
上半期のオススメでは主に実用性に触れた通り、実用性抜群の逸品と言えます。
しかし、それだけでなく、ダークファンタジー少女の復讐劇としても秀逸な作品だと思うのです。


父の死をキッカケに、この世に生を受けた少女:シャリィ=エルスィ。
あらゆる願いを叶えると謳われる『パンドラの箱』を手に入れるため、彼女がオリュンポス王立魔法学園へと転入する所から、復讐劇の幕は上がります。
父が成し得なかった復讐の成就、そして何よりも親愛なる父にもう一度会いたいという純粋な願いが、孤独な戦いの中で彼女を突き動かし続けるのです。
つまり、陰惨な復讐劇と実用性のハーモニーが、心にも体にも心地良い一冊と言えます!


往々にして、復讐の連鎖は何も生み出さない,虚しさしか残らない,復讐のキッカケとなった人物も報われない等と言われます。
亡き父の悲願のため、ここまで多くの罪を重ねて来た彼女の行く先は?
大成や救いか?
はたまた崩壊か?
或いは第三の道があるのか?
連載誌『コミックアンリアル』では驚愕の“シンジツ”が語られ、更なる闇が物語を包んでいっており、目が離せません。


ちなみに。
次点には、「セレブラムの柩 ―背徳の半女神―」(時原マサトを挙げたいです。
セレブラムの柩 ―背徳の半女神― (アンリアルコミックス 49)
今回はダークファンタジーに特化させつつも総合力も考慮していますが、この作品もダークファンタジー賞と言う点では実質1位タイと言って差し支えありません。
忌まわしい過去を抱え、孤独な覇道を貫き続ける王:ラザロ。
同じく孤独な戦いを経て、王の側近へと上り詰めた従者:グルーデ。
二人の邂逅が、二人自身と王国にもたらす変化とは?
とある王国を舞台にした魔具『セレブラムの柩』を巡る一大ダークファンタジー、同じくオススメです。

イチャラブ賞

あまみドコロ (メガストアコミックスシリーズ No. 262)
次に、イチャラブ賞には「あまみドコロ」(睦茸
ダークな成年漫画を読み耽っていると忘れがちな事実ですが、性行為は互いに分かり合える幸せの象徴でもあります。
周囲が呆れる程に好き合っていても、相手の心の内が分からず振り回される事・想いを素直に言動に表せない事もあるでしょう。
でも、そういう時があるからこそ、心も体も繋がった時は言葉に出来ないくらい嬉しいもの。
読了後は、表紙のヒロイン:あまみさんの笑顔&帯の「キス…したいな。」と言う言葉だけで、二人の幸せを祝福したくなります!


同作者の前作「ちちこき」とは全体のカラーが違って、驚いたのも良い思い出。
前作がダークな性的魅力溢れるデビュー単行本だとしたら、今回はイチャラブな性的魅力溢れる単行本。
そういった意外性新分野での良い仕事も、プラスポイントになっています。


ちなみに、双璧と思っていたむちプリ」(有馬侭は、何と一昨年の作品でした。
確かに雑誌でちょくちょく読んでいたのは遠い昔だった気はしたけれど。
新単行本を望む気持ちが溢れすぎていたようで、2年前の作品とは思わなんだ…。

催眠陵辱賞

催眠賞と言葉を濁して範囲を広くする事も考えましたが、自分の気持ちに嘘は付けないッ!!
と言う訳で、単刀直入に申し上げると、催眠陵辱が大好きです。
パソコンゲームなら「催眠学園」(BLACKRAINBOW)は思い出深く、成年漫画なら「独蛾」(月吉ヒロキ)は殿堂入りの作品です。
催眠術で牝奴隷を手に入れる方法 (OKS COMIX)
そんな催眠陵辱賞のトップは、「催眠術で牝奴隷を手に入れる方法」(香月りお
名が体を表す作品ですが、私のツボを幾つも的確に押さえてありました。
催眠術という偽りの力で、本来の自分には手の届かぬ対象を屈服させて行く様子。
心は操られていても、肉体に快楽が刻まれ積もっていく様子。
憧れや好きと言う気持ちが、催眠術によって捻れに捻れ、挙句には羨み、妬み、憎しみへと変わって行く様子。
そして、催眠が解かれた時から始まる絶望の連鎖
これらの私の心を掴んで放さない要素が、一冊の単行本の中に満ち満ちていました。


更に、賛否が分かれそうな物語の展開も、個人的にはプラスポイント。
催眠陵辱と言うジャンルにおいて、催眠術は(主人公や読者にとって)都合の良い技術。
同時に、鬱屈とした日常から解放されて、全てが思うがままの非日常の扉を開ける鍵でもあるでしょう。
言わば、催眠とは魔法のような物だと思うのです。
その魔法を用いて進んだ物語は、やはり魔法によって締められるのが道理ではないかなと。


ちなみに、関連作品となる同作者の次作「催眠術で彼女を淫らにする方法」は、今作とは一味違った催眠陵辱物だと感じました。
個人的には今作の方が一層好みですが、催眠陵辱スキーな方は読み比べてみるのも良いと思います!

新人賞

イマコシステム (TENMAコミックス)
新人賞には、「イマコシステム」(緑のルーペ
但し、新人賞と言いながらも、今作は手放しで誉める&万人にオススメという作品ではありません。
初単行本故の荒削りと言う意味ではなく、表題作のイマコシリーズ最後の展開は、賛否両論が確実&否でも全く不思議ではないと思うからです。
私自身、うんうん悩みに悩んで、否の部分も併せ持っています。


しかし、それでも猶、この初単行本は見事だったと言いたいです。
表題作を含めた3作品とも、焦点は性行為ありきの関係性に当てられているように感じました。
肉体が目の前で簡単に繋がったとしても、心や想いは見えなくて分からない。
曖昧だったり、変わってしまったり、でも移ろわない想いもあったり。
そんな人間故の不安定さや愚かさが、作者の色を以て描かれていたと思うのです。


確かに今作では悶々とする所もありましたが、現時点での圧倒的な作者の色今後の伸びしろに、思わず賭けてみたくなる作品でした。
作者自身が考えた表紙カバーを裏返した時の仕掛けも、思わずニヤリの後、微笑みたくなったものです。


ちなみに、偶然にもヘドバン氏(ヘドバンしながらエロ漫画!)と今作の話をさせて頂いた際、ヘドバン氏から「Hole Sweet Hole」(浦井民との類似点と相違点を指摘され、ナルホドと深く唸りました。
Hole Sweet hole (TENMAコミックス LO)
浦井民先生も「Hole Sweet Hole」が初単行本であり、その類まれなる才能と奇抜さを存分に発揮されておりました。
共に新人賞に挙げられる程の実力を持ちながらも、ある意味、初単行本の表題作に関しては対局と言えるかもしれません。
「イマコシステム」に賛だった方、否だった方、どちらとも言えないけれど凄さは認められるという方、その全員に是非とも読み比べて頂きたい一作です。

サブキャラが光ったで賞(性的な意味で)

Newmanoid CAM2 (メガストアコミックスシリーズ No. 260)
身も蓋もないサブキャラが光ったで賞(性的な意味で)は、「Newmanoid CAM」(うろたん)第2巻。
第1巻から実に5年越しとなる完結巻は、まさに待望という言葉が相応しい出来でした。
完結巻なので、当然、途中から物語は核心へ向かって行きます。
勿論、実用性はありますが、第1巻の時のような純粋な実用性特化とは言い難いのもまた事実。


しかし、そこでこそ、完結巻に咲く一輪の花!キュアベルさん!!なのです。
第12話では、主人公:スコットの元相棒:ベルさんの落ちこぼれだった過去が語られます。
かつてはキャムと同じくスコットの足を引っ張っていたベルさんは、その隙を突かれて胸糞悪い同期達の姦計に陥ってしまうのです。
当時の陵辱模様も然る事ながら、その性的な展開が本人の口から語られているという事もポイントが高いと思いました。
言い方を変えれば、第2巻でとうとう毒牙に掛かったとも言えますが、読者的にはご褒美です!

終わりに

まだまだ紹介したい作品は沢山ありますが、今回はこの辺りで。
この他、パッと思い付く限りだと、たわわん」(イコール)Honey Syrup」&「Sweet Lip」(藤ます)等も素晴らしかったです。
前者なら擦り付け賞、後者ならフェチ/フェラチオがあれば、間違いなくトップ入選でした。
今回は上記の5賞にしましたが、この賞は固定ではありません。
もし次回以降があれば、賞の内容は敢えて変えるつもりです。


心踊る成年漫画との出逢いは、胸も胸以外も熱くなるもの!
既に単行本化を楽しみにしている連載/掲載作品も幾つかあります。
また、単行本化した暁に巡り会う良作もあるでしょう。
今年も良き成年漫画に出逢えるよう三が日に祈りながら、今回は締め。