自分を映す鏡?自分に似ている漫画キャラ達!
突然ながら、漫画のキャラクターと自分が似ていると思った事はありませんか?
創作物のキャラクター達は、私達人間の観察力や想像力から生まれるモノです。
自分との類似点を見付けたり、親近感を抱いたりした経験がある人は、少なくないと思います。
例えば、水星さん家の水星さんが、以前こんな事を書かれていました。
■『ハックス!』キャラクターの身体原理
個人的にも、「ハックス!」のキャラクター造形や若者らしさは、共感だらけで秀逸でした。・他人と目を合わせられないうわー、
・うつむきがち
・口元に手を当てる
・(自分からしておいて)話を急いで自己完結させる
・あとバッグがJKっぽくないこれなんて俺いかにもよくいるコミュ下手な子……というのが、このコマだけで分かるのがすごいですね。そしてこういう子ならスカート丈を短くできないだろうという納得があります。
身近に感じられるキャラクター達が織り成す人間模様だからこそ、より作品の内容や展開に入り込めた部分もあったと思います。
読み手によって程度の差はあれど、創作物のキャラクター達をリアルに感じられるのは凄い事だと思うのです。
という訳で、今回は、私が直感的に自分に似ていると感じたキャラクター達を紹介。
その後、その漫画キャラクター達を周囲に話してみて、興味深く感じた事を書いてみます。
前戸清介 from 「うのはな3姉妹」(水谷フーカ)
まずは、『まんがタイムファミリー』で連載中の「うのはな3姉妹」です。
実は、今回のテーマを思い付いたキッカケは、今作の新キャラクター:前戸君でした。
尚、念のために書いておくと、彼の持つ要素の中でイケメン・年上に興味ナシは除くのでご注意下さい。
前戸君は、うのはな3姉妹が暮らす北原豆腐店の隣へ、単身引っ越してきたたこ焼き職人。
桜への好意を表明したで、南田君の恋のライバルへと高速で駆け上がった兄貴分(?)です。
そんな彼の物怖じせず、悪意なく、朗らかに他人と交流する様子が、自分と凄く似ていると感じたのです。
そして、その繋がりを元にして、また新たな人の輪と繋がって行く所は、共感と共に羨ましさも抱きます。
「こうなれたら良いのに…」ではなく、自分もこういうタイプで、前戸君を見ているだけで楽しそうだからです。
また、たこ焼き職人としての修行のために、見知らぬ土地で単身店を構えるだけあり、根は真面目。
自分の専門には一生懸命・真摯に取り組み、たこ焼きへ向かう彼の眼は真剣その物。
私自身、自分の専門は大好きで(苦しさや辛さと併せて)趣味と同じくらいの楽しさも感じます。
まだ自分はスタートラインに立つ所ではありますが、自分の進路的にも彼と自分が重なりそうになるのです。
ヤン(池澤雅臣) from 「恋愛ラボ」(宮原るり)
次に、『まんがタイムスペシャル』連載中の「恋愛ラボ」です。
今作に関しては、以前、サヨの雰囲気が元カノに酷似していたという事を書きました。
■[犬上すくね][志摩時緒][宮原るり] 現実でも漫画でも!クールな彼女に惹かれ振り回される幸せ!(ソースは俺)
同じ事を書くのは捻りがない(そもそも自分の事でない)ので、今回は別のキャラクターに焦点を当てます。
それが、南中学校生徒会副会長・いりきみ塾特進クラス所属のヤンです。
まず、生徒会(副)会長や委員長気質という所には、懐かしさ混じりの共感を抱きます。
そして、その役職や所属から当然ではありますが、学業は優秀・信頼もある根っからの委員長キャラです。
その延長な気もしますが、結果的に望んでいないツッコミ役というのも良く分かるのです。
それでいて、何だかんだ言いつつも面倒見が良い辺り、もしかして似ている自分もツンデレ疑惑を感じる程です。
そんな彼も、恋愛(ラブ)を研究(ラボ)するリコ達に巻き込まれて行く訳です。
そして、恐らく瞬間最大親近感を覚えたのは、以下のシーン。
皆が憧れるマキを花火大会へ誘って欲しいと言う依頼を断った挙句、彼女のどこが良いのか発言。
素で男女別け隔てなく接している(=年齢や性別に応じて気配りはすれど、過度な意識は起きにくい)人は、こういった経験あるのではないでしょうか?
とは言っても、ヤンの場合は恋愛に興味・免疫ないという理由もあるので、いずれ年相応の男子らしい所を見せる日が来ると思うとニヤニヤが止まりません。
児島泰樹&みゆき会長 from 「ハックス!」(今井哲也)
最後に、冒頭でも紹介した「ハックス!」です。
昨年『アフタヌーン』で完結を迎えた今作は、とある高校のアニメーション研究部を軸にした青春群像劇。
今作で特筆すべきは、何よりも作品全体から感じられるリアルさだったと思います。
そして、そのリアルさに大きく貢献していたのが、懐かしささえ抱くような各キャラクター達でしょう。
メインキャラクターからサブキャラクターに到るまで、デザインから一挙一動まで、見れば見る程リアルでした。
その20人を超えるキャラクター達の中で、自分に似ていると思ったのが、児島君と会長です。
児島君は、主人公:みよしと同じく、新入生歓迎会で上映されたアニメに衝撃を受けてアニ研へ入部。
しかし、行動・天才・感覚派のみよしに対して、児島君は知識・努力・理論派で、特徴が見事に逆。
どちらのタイプも何かを成し遂げる上で必要であり、児島君がアニ研全体の指揮を執れれば上手く行く可能性は高いでしょう。
それでは、もし、児島君の想定外の事態が起こってしまったら?もし、一部のメンバーが児島君へ反旗を翻したら?
理論や計画第一で冷静(であろうとする)タイプの脆さは、かつての自分にも覚えがある分、心が痛くなる程でした。
そして、もう一人が、みよしや児島君の良き導き手であったみゆき会長です。
物語開始時点では、実質あってないような存在だったアニ研へみよし達を導き、彼等の活動を後押ししました。
とは言っても、みゆき会長も、何もかも思惑・計画通りだった訳ではありません。
年齢と立場上、今作の学生の中では最も頼りになる人物の一人だったと思いますが、彼女も一人の高校生でしかない。
自分の出来る範囲で慕われ頼られるリーダーとなりつつも、一人の学生として理不尽や無力感に苛まれる事も当然ある。
決して万能な導き手ではなく、精一杯導き手であろうとする所が、やはり以前の(もしかすると今も)自分を思い出させます。
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さて、このテーマを思い付いた直後、ツイッターの私の知人・友人に意見を募ってみました。
xiang4ri4kui2 | そう言えば、俺に似ている漫画のキャラクター(外見,内面,雰囲気等々、どんな切り口からでも可)を募集してみたかった事を思い出した。ご意見募集!(モチロン更新用) [携帯] | link |
改めて、自分が見ている自分と他人が見ている自分は異なると思ったものです。
冒頭で「創作物のキャラクター達は、私達人間の観察力や想像力から生まれるモノ」と書きました。
同じように、私達の自分自身に対するイメージも、日々の観察や想像から生まれていると思います。
そのイメージは主観的なので、理想・過度に低い/高い自己評価と言ったノイズが含まれている可能性は否定できません。
しかし、そのノイズは、他人が私達に抱く(その他人の主観的な)イメージでも同じだと思います。
今回、私自身が感じる自分に似ているキャラクター達を挙げてみましたが、知人・友人は違和感を抱いたかもしれません。
ともすれば、創作物のキャラクターへの「自分と似ている!」という感想は、痛いモノとなってしまう危険性もあるでしょう。
また、言うまでもなく、自分と“完全に一致”するキャラクターと出逢う機会は、そうそうないはずです。
けれど、自分と“似ている”キャラクターは、私達が自分自身へ抱くイメージ・他人が自分へ抱くイメージを認識する一つの基準(自分を映す鏡)にもなるのではないでしょうか?
曖昧で漠然とした自己を見る一つの手段として、自分に似ている漫画のキャラクターを考えてみるのも面白いのではと思ったのでした。